「ピッチシフターってなに?ハーモナイザーとか似たようなエフェクターがあるけど何が違うの?そして、買うとしたらどれがおすすめ?」
という疑問に答えます。
本ブログを書いている僕の経歴。
- ギター歴 14年
- エフェクター所有数 約200台、使用数 約5000台
- Twitterにてエフェクター情報を発信中
僕はかなりピッチシフターにこだわっていて、10台以上のピッチシフターを所有し、50種類以上のピッチシフターを弾いた経歴があります。そんな僕がピッチ系エフェクター(ピッチシフターやハーモナイザー)の違いや機能を説明しつつ、実際に弾いて本当におすすめできると感じたピッチシフターを9つを紹介します。
この記事を読めば、以下3点がわかります。
- ピッチシフターとは?基本的な「機能」と「種類」
- ピッチシフターの効果的な「使い方」
- あなたに「最適なピッチシフター」
そもそも、ピッチシフターとは?
ピッチシフターとは「音程を変えるエフェクター」です。
直訳しても【ピッチシフト=音程移行】なのでそのまんま。
単純に音程を変化させることはもちろん、音程の違う音を重ねて一人ツインギターのような「ハモり」を加えたりと様々な使い方ができます。
▼なお、細かい違いはあれど以下のエフェクターは「全て」ピッチシフターの仲間です。
- ピッチシフター
- インテリジェントピッチシフター(ハーモナイザー、ハーモニスト)
- ワーミー
ちなみに、同じピッチ系のエフェクターですが「オクタヴィア」や「オクターバー」は、仕組みが異なるため、ピッチシフターとは別物になります。詳しくは↓こちらの記事で解説しています。
✔︎ 豆知識・・・
ピッチシフターは「デジタルディレイを応用して作られたエフェクター」です。 ディレイのつまみを回すと「キュイイン!」と音が高くなったり低くなったりします。あれがピッチシフターの正体。録画したTVを倍速で流すと音が高くなるのと同じ原理です。
余談ですが、60~70年代は音程を変えることは技術的に非常に難しかったため、ピッチしふたーのように音程を変化させるエフェクターは存在しませんでした。当時の人にとって音程を変化させるエフェクターは『夢』だったんです。(今を生きる私たちは恵まれている!)
ピッチシフターを「種類ごと」に解説します
次に、代表的な3つのピッチシフターについて解説します。ここを読めば、いろいろな呼び方があるピッチシフターですが、各々の違いが理解できると思います!
- ピッチシフター
- インテリジェントピッチシフター(ハーモナイザー、ハーモニスト)
- ワーミー
①ピッチシフター
もともと、ピッチシフターは「わずかにピッチ(音程)の違う音を原音に混ぜる機能だけ」のエフェクターでした。
今やそのような原始的なピッチシフターは、ヴィンテージ市場以外ではほとんど流通していません。しかし、(個人的には)歴史的にみて「ピッチシフター」とだけ言われたら、こういったデジタル技術が発達する前のオクターバー的なエフェクターを表すような気がしています。
②インテリジェントピッチシフター(ハーモナイザー、ハーモニスト)
インテリジェントピッチシフターは、デジタル技術を駆使して「音程」に関する様々な機能を搭載したエフェクターを表します。
現在「ピッチシフター」と言われたら、「インテリジェントピッチシフター」のことを表してます。メーカーによっては「ハーモナイザー」や「ハーモニスト」とも呼ばれますが、これらは全てインテリジェントピッチシフターと同じと言っちゃっていいと思ってます。
※厳密にいうと、ハーモニスト・ハーモナイザー名義で発売されているエフェクターは「原音に別の音程を加えて”ハモリ”を加える」ことをコンセプトにしたエフェクターとなっていることが多いです。ピッチシフターの名前で販売されているものとは、搭載されている機能・モードに違いがあることがあります。(買うときにチェックしましょう!)
代表的な機能としては、ただ音程を変えるだけでなく、音階にあった音楽的に綺麗な “ハモリ” を生み出すことができます。また、気持ちいい音程を自動で判断して付け加えてくれたり、弾き間違えた音(スケールからずれた音)を正しい音に修正してくれたり、音程にかかわる様々なハイテクな機能が開発され続けています。
③ワーミー
ピッチシフターにフッドペダルがついたエフェクターです。ワウペダルのように演奏中に自在にピッチ(音程)を変化させることができます。
デジテックが開発し1990年から発売を続けています。他メーカーからは主にマルチエフェクターに搭載される形で発売されています。
余談ですが、僕のギターヒーローであるRATMのトム・モレロが愛用しています。(僕もトム・モレロと同じ、ワーミーの初号機”WH-1″を使っています☺️)
使い方がめちゃくちゃカッコいいです。気になる人はこちらの動画をご覧ください。
ピッチシフターの接続順番
よほど奇抜な音を狙わない限りは接続順は歪み系の前においてください。なぜならハモった音を歪ませると音が濁ってしまうからです。
▼エフェクターの順番についてはこちらの記事もよかったらお読みください。
ピッチシフターの使い方
次に僕のおすすめの使い方を紹介します。
色々な使い方はあれど、僕の一番痺れる使い方は…
「ギターソロでの単音のハモリ」で使う。
和音でのピッチ変化は複雑な印象。単音でバチっとハモらせる方が「ここぞ」という時にカッコよくハマると思います。
▼マキシマムザホルモンの「F」のソロのようなイメージ。ピッチ変化を使えば、このようなハモリを一つのギターで表現することもできます。
最後に、ピッチシフターおすすめ5選を紹介します
種類別におすすめのピッチシフターを5台紹介します。実際に弾いてみて厳選しています。ぜひ参考にしてください。
インテリジェントピッチシフター
BOSS|PS-6 Harmonist
ピッチシフターは個人的にはBOSS一択。ノイズも少なく堅牢な筐体で製品としての安定感が抜群です。いくつか試しましたが、結局ピッチ系のエフェクターはPS-6に行き着くいてしまいます。機能としては、CPU処理能力が高く、ハーモニー機能では2声ではなく3声重ねることができ、更にかなり高音質でナチュラルな音色を生み出してくれます。
中でも、スーパー・ベンドモードモードを使えば「ワーミー」のように曲中にピッチを変化させることが出来ておすすめです。ギタリストにとっては、オーバースペックになってしまうほど多機能です。主要なピッチ系のエフェクトは、ほぼ全て搭載しているかと思います。
詳しいレビューはこちらの記事をご覧ください。
DIGITECH|Drop
後述の「DIGITECH|Whammy」のドロップチューン機能のみを抽出しコンパクトペダルとして販売しているエフェクターです。ギターのチューニングを変えなくても、最大1オクターブ下まで半音ずつ、9段階のピッチシフトが可能です。原音+オクターブ下のオクターバーとしても使用できます。フットスイッチを踏んでいる間のみONになるMomentaryモードや、原音を混ぜる/抜く、といった細かい設定も可能です。
ただ、僕がこのエフェクターを買った最大の理由は半音下げチューニングを瞬時にしたかったから。「今日やる曲セットリスト…1曲だけ半音下げだ…」なんて時もカチッとエフェクターを踏むだけで対応できちゃいます。とても便利です。
詳しいレビューはこちらの記事をご覧ください。
Walrus Audio|LUMINARY
コンパクト・エフェクターの中では最高性能なピッチシフターの一つかと思います。原音とオクターブ音のバランスはもちろん調整可能です。リング・モジュレーターやオルガンのようなワルラスオーディオらしい奇抜なサウンドから、深く美しいリバーブのようなサウンドまで表現可能。4つのノブを使って、多彩な効果を生み出してくれるエフェクターです。
詳しいレビューはこちらの記事をご覧ください。
ワーミー
DIGITECH|WHAMMY5
唯一無二の個性。最強の飛び道具エフェクターの一つ「ワーミー」の最新モデルです。僕はRATMのTom Morelloと同じものが欲しかったので、WH-1という1990年に販売されたビンテージのワーミーを使っています。ただ、今からワーミーを買うなら特別な理由がない限りは、ノイズの少なさや電源供給の手軽さという面で最新機種であるWhammy 5を買った方がいいかと思います。
詳しいレビューはこちらの記事をご覧下さい。
DIGITECH|Whammy Ricochet
ペダル型でないと実装不可能とされたワーミーペダルを、コンパクトエフェクター・サイズまで小型化したモデルです。「ペダル」ではなく、「スイッチ」を踏む強さに比例してピッチ(音程)の変化をコントロールします。エフェクトのかかり具合を9個のLEDで確認できますので、大型のモデルとほとんど変わらぬ操作性を実現しているかと思います。アマチュアギタリストにとって、小型化は正義。
詳しいレビューはこちらの記事をご覧ください。
以上です。