「ギターのノイズが気になる。ノイズゲートが欲しいけど、どれを買えば良いんだろう?」
という疑問に答えます。
僕はとにかく「ノイズ対策」にこだわっていて、ノイズ対策エフェクターについても5~10台を使用してきました。これらの経験を生かして、僕の持っている「ノイズゲート」に関する情報を全て公開します。実際に使って「本当におすすめできると感じたノイズゲート」も6つ紹介します。
この記事を読めば、あなたのノイズゲート探しの旅が終了します。
✔︎ 注意点:ノイズゲートは最終手段です。
ノイズゲートは最終手段です。ノイズゲートはノイズをエフェクターの力で聞こえないようにしているだけ。
前提として「 ノイズの根本原因 」を解消することを優先することをおすすめします。「ノイズの原因一覧」「原因ごとのノイズの対処方法」については↓こちらの記事で詳しく説明しています。
そもそも、ノイズゲートとは?
そもそも、ノイズゲートとは…
「ジー」や「ヴーン」といった、ギターから発せられる、想定していない余計な音(=ノイズ)を除去するエフェクターです。
なお、「 ノイズ除去 」を目的としたエフェクターは、主に以下の3つがあります。
- ノイズゲート
- ノイズサプレッサー
- ノイズリダクション
細かい違いはありますが、全て「 ノイズ除去 」という点で機能は同じです。「メーカーによって名前が違うだけ」と理解してOKです。
「細かい違いがどうしても気になる!」という方はお読みください。
・ノイズゲート
ノイズゲートは設定した音量より小さな音を瞬間的にカットする事でノイズを除去します。
・ノイズサプレッサー
ノイズゲートと原理は同じです。ただし、ノイズの音量を徐々に小さくして自然にノイズを消し去ったりと、細かく設定をいじれるエフェクターです。
・ノイズリダクション
ノイズリダクションは上記2つとは原理が違います。設定した音量よりも小さな音をバッサリ削除することはなく、音の中からノイズ成分のみを自動検知して除去します。
※ただし、ノイズゲートという名前の商品にノイズリダクション機能がついていたりと、ネーミングによる境界は曖昧です。
ノイズ対策を徹底してもエレキギターの構造上ノイズは必ず発生します。しかし、ノイズゲートはノイズと判断した音を完全に消してくれます。ノイズゲートの使用は、最も簡単で確実なノイズ対策と言えるかと思います。
ノイズゲートの ”原理” を解説
前提として、ノイズゲートは「 ダイナミクス系エフェクター 」にカテゴライズされています。つまり、”音量” をコントロールするエフェクターの仲間です。
ノイズゲート、ノイズサプレッサーの原理
ノイズゲート、ノイズサプレッサーの原理としては、スレッショルドと呼ばれる「 基準となる音量 」より小さい音をカットすることでノイズを除去します。しかし、ギターを弾いていてスレッショルドを迎えた瞬間に「ブツッ」と無音になるのは不自然ですよね?なのでノイズゲートによっては、自然にノイズゲートを作動させるために、下記の2点を自分好みに設定する事ができます。
- アタック、ディケイ=音がフェードアウトしていく設定
- リリース=音がフェードインする設定
ノイズリダクションの原理
「 リダクション 」というノイズを自動検知して除去する機能を搭載しています。検知したノイズ音を自動で削除します。ノイズリダクションの性能は向上し続けており現在ではノイズゲートよりも高性能なモデルが多いです。
ノイズゲート・リダクションのおすすめ6選
ISP TECHNOLOGIES / DECI-MATE MICRO DECIMATOR PEDAL
入力インピーダンス : 500k ohms
最大入力音量: +10 dbU
リダクション : Greater than 90db
リリース : Adaptive over 1000 to 1 ratio
サイズ: 94 x 38 x 33 mm
電源 : 9VDC 40 milliamp minimum
世界中のギタリストが愛用している激売れノイズゲート・シリーズの、小型化エフェクターです。「ノイズゲートのおすすめは?」と聞かれたら、ほとんどのギタリストが「ISPのDECIMATOR」と答えるのではないでしょうか?
公式HPによると…
DECIMATORシステムは、短いスタッカート音に対して即応するだけでなく、長いサステインの音のコントロールも容易にしてくれます。このことからも、DECIMATOR NOISE REDUCTION SYSTEMが、最も透明で、高いパフォーマンスを誇る最新のノイズ・リダクション・システムだといえるでしょう。
iSP Technologies 公式HP
とのことです。
つまり、機敏にノイズのみを検知して除去してくれるリダクション機能を搭載しています。そのため「ノイズゲートを通すと音が変わってしまうから使わない…」と悩む方に特におすすめです。ノイズ・リダクション機能を発明し、常にノイズゲート業界をリードする開発チームが送り出す、限りなく自然にノイズのみを除去するエフェクターです。
詳しいレビューは↓こちらの記事をご覧ください。
ISP TECHNOLOGIES / DECIMATOR II
入力インピーダンス:500K ohm
最大入力音量:+12dbu
リダクション:60db以上
ダイナミックレンジ:100db以上
歪率:.05% typical
消費電力:35mA @9VDC
リリース:Program dependant based on Time Vector Processing
こちらの「DECIMATOR II」が最も有名な本家DECIMATORです。ただし、単品で使うのであれば効果や値段もほぼ同等ですので、小型バージョンの「DECI-MATE MICRO DECIMATOR PEDAL」が個人的にはおすすめ。
詳しいレビューは↓こちらの記事をご覧ください。
BOSS / NS-2 Noise Suppressor
入力レベル:-20dBu
入力インピーダンス:1MΩ
規定出力レベル:-20dBu
出力インピーダンス:1kΩ
推奨負荷インピーダンス:10kΩ以上
バイパス:バッファード・バイパス
コントロール:
MODE切り替えスイッチ
DECAYつまみ
THRESHOLDつまみ
ペダル・スイッチ
インジケーター:
CHECK/MUTEインジケーター(バッテリー・チェック兼用)
REDUCTIONインジケーター
接続端子:
INPUT端子:標準タイプ
OUTPUT端子:標準タイプ
SEND端子:標準タイプ
RETURN:標準タイプ
DC IN端子
9V DC OUT端子
電源:
マンガン電池(9V形)またはアルカリ電池(9V形)ACアダプター(別売)
消費電流:20mA連続使用時の電池の寿命マンガン電池:約5時間
※使用状態によって異なります。
付属品:
保証書
取扱説明書
チラシ(安全上のご注意、使用上のご注意、サービスの窓口)
マンガン電池(9V形、本体に接続済み)別売品ACアダプター:PSA-100
DC-DCプラグ:PCS-25
パラレルDCコード:PCS-20A
外形寸法 / 質量:
幅 (W)73 mm奥行き (D)129 mm高さ (H)59 mm質量(乾電池含む)400 g
「ノイズサプレッサー」という名前ですが、ゲート/リダクション機能も搭載しています。最大の特徴は原音の変化がほとんどないところ。ノイズを除去するのは当たり前として、その弊害としてノイズゲートを使用する際に「原音の劣化」が問題視される事がありましたが、原音にほとんど影響のない優秀なノイズゲート・エフェクターです。
公式HPでも
NS-2はギターの音とノイズ成分を分離して検知するBOSS独自の方法を採用。原音には一切影響を与えずにノイズやハムだけを一掃する事が可能。
BOSS 公式HP
との説明がありますね。
おすすめの使い方としては、空間系以外のエフェクターをNS-2のセンドリターンに繋ぐ使用法です。ノイズ発生源のエフェクターの音のみを加工してくれるので、驚くほど自然にノイズゲートの効果を発揮します。(従来のノイズゲート同様にエフェクターの最後尾につなぐ事も可能)ちなみに、DECAYの設定はBOSSの推奨通り基本的に「MIN」まで下げて使うのが最良かと思います。
モードは「MUTE」がおすすめ。「REDUCTION」は単純にノイズゲート機能のON/OFFが切り替えられますが、「MUTE」は基本エフェクトはONのままで、フットスイッチを押すと全ての音量がOFFになるKillスイッチの役割を果たしてくれます。一切のノイズを排除し、静寂にシビアな緊張感のある空間を作り上げたい場合「MUTE」モードは効果的ですね。
詳しいレビューは↓こちらの記事をご覧ください。
TC ELECTRONIC / Sentry Noise Gate
バイパス・モード : トゥルー・バイパス (バッファー・バイパス選択可
寸法(幅 x 奥行き x 高さ) : 72 x 122 x 50 mm – 2.8 x 4.8 x 2.0 ”
入力コネクター : 標準 ¼” ジャック – モノラル/ TS
出力コネクター : 標準 ¼” ジャック – モノラル/ TS
電源 : 標準 9 V DC 、センターマイナス、 >100 mA (パワーサプライ別売)
バッテリー・オプション : 標準 9 V (別売)
入力インピーダンス : 1 M Ω
出力インピーダンス : 100 Ω
USB ポート : Mini USB コネクター(カスタム TonePrint のエディット/アップロード、及びソフトウェア・アップデート用)
TC ELECTRONICエフェクターに共通する特徴ですが、デジタル最新技術を余すことなく搭載した高機能ノイズゲートです。「BOSS / NS-2」と同様に、空間系以外のエフェクターをセンドリターンに繋いで、限りなく自然にノイズゲートを使用する事ができます。
マルチバンドと呼ばれる、各帯域毎にノイズを検出する最新機能を搭載しています。そのため、超ハイゲイン時でも「ピタッ…」とノイズが収まるような強力なノイズゲート機能が特徴です。
ちなみに、用途によって3つのモードを選択可能です。※個人的には「GATE」モードの使用がおすすめ。
- GATE:一般的なノイズゲート
- TONEPRINT:スマホやPCでダウンロードした(プロギタリスト等の)設定を使用するモード
- HiSS:「サー」と常時流れているHissノイズカットに適したノイズリダクション・モード
詳しいレビューは↓こちらの記事をご覧ください。
ROCKTRON / Micro Hush
入力インピーダンス:470kΩ
出力インピーダンス:1kΩ
最大入力:+5dBu
最大出力:+5dBu
消費電流:15mA
電源:9V ACアダプター(別売:2.1mmセンター・マイナス)
寸法:92×54×48mm
重量:150g
ノイズゲートと言ったらROCKTRONのHUSHが昔からの超定番。ROCKTRONはノイズリダクション機能を開発した会社でもあります。そんなノイズゲートの老舗ROCKTRONの代表作「HUSH」を小型化したエフェクターです。
ちなみに、最近ではノイズゲート業界では「ISP TECHNOLOGIES社」の商品が人気ですが、そもそも「ISP TECHNOLOGIES社」はROCKTRONの創業者と、その開発チームが新たに起業したブランドです。
HUSHはスレッショルドノブ一つのシンプルなエフェクターなので、自分でいろいろ設定できないです。しかし、長年の販売経験に裏打ちされた精巧なチューニングで、突然の音量変化は一切なく驚くほど自然にノイズを除去してくれます。
僕は現在こちらを愛用していますが、使った感じもホントに自然で繋いでいることを忘れさせてくれます。フレーズを途切れさせるようなことはないですね。何より煩わしい設定が必要なくて使いやすい!
詳しいレビューは↓こちらの記事をご覧ください。
Donner / Noise Killer
パワーサプライ:DC 9V
作業電流:26mA
サイズ:42×93.5x52mm
重量:230g
Amazon評価数が、BD-2やBigmuffなどの超人気エフェクターを抑えてダントツ多い(300件超)話題のノイズゲートです。正味、特別なエフェクターではないのですが「安いわりに、意外とちゃんとしてる感」で話題なのかなと思います。
3000円で「ノイズを減らしたいなー」というニーズは確実に叶えてくれます。モードは「SOFT」「HARD」がありますが、基本的には「SOFT」で使用することをおすすめします。「HARD」はノイズ除去がきつすぎて、ブツブツっと原音が変化してしまいます。
音色の変化や、サスティンの減衰など、超細かいことを言えば残念な点はありますが…ノイズゲートを試しに使ってみたいなーという方には、ぶっちゃけ「これでOK」です。
詳しくはこちらのレビュー記事↓をご覧ください。
「Donnerってどんなブランド?」「安すぎるけど大丈夫なの?」と思った方は↓こちらの記事でどこよりも詳しく紹介してますので、ぜひお読みください。
以上です。