「エフェクターのバッファーって何?必要なの?」
という疑問を解消します。
本ブログを書いている僕の経歴。
- ギター歴 14年
- エフェクター所有数 約200台、使用数 約5000台
- Twitterにてエフェクター情報を発信中
僕はエフェクターの「バッファー」にもかなりこだわっていて、自分にあったバッファーを探し続けてきた経歴があります。そんな僕が実際に使って「本当におすすめできると感じたバッファー」を6つ紹介します。
なお、僕の経験上エフェクターの数や種類によって必要性や、使用すべきバッファーは変わります。本記事では主に以下2点についても解説します。
- バッファーとは何か?
- どんな時に必要なのか?
この記事を読み終わった頃には…「あなたにバッファーが必要か?」を判断し、「最適なバッファー」を見つけています。
バッファーとは何?
バッファーとは…「ノイズや音質劣化に強くする回路」です。
詳しくいうと「ハイインピーダンスをロウインピーダンスに下げる回路」となります。
以下、詳しく説明します。
アンプ(スピーカー)はエレキギターから届いた「電気信号」を音に変えていますが、ギターが出力する電子信号は「ハイインピーダンス」という弱い信号なのです。
そのため、以下のような環境でギターを使用すると、音の劣化やノイズが発生したり、状況によって音質が不安定になったりすることがあります。特に、音の劣化は顕著に現れることが多く、TONEをゼロにした時のような、高音が極端に少ない曇った音になりがちです。
①10m以上の長いシールドを使用する。
②直列で複数のトゥルーバイパス・エフェクターを繋ぐ。
※トゥルーバイパス=バッファーを搭載していないエフェクター
※トゥルーバイパス・エフェクターでも「ON」にすると信号はロウインピーダンスに変換されます
バッファーはハイインピーダンスを「ロウインピーダンス(=外部の干渉に強い信号)」に変えることができます。
つまり、強い信号のまま音のデータをアンプまで届けてられるようになるため、バッファーを使用することでノイズや音質劣化を防ぎぐことができます。
バッファーって必要なの?
結論、場合によって必要です。
ただし、バッファーにあまり神経質にならなくてOKではあるかなと思っています。ぶっちゃけバッファーって必要ないことがほとんどです。
というのも、(5m前後の)短めのシールドを使っていたり、BOSS等のバッファードエフェクターが一個入ってればそんなに劣化は気になりません。結論、「なんか自分の音が好きになれない…」と思った時にバッファーを試してみる、それくらいのスタンスで大丈夫です。
逆に「劣化した音が好き」という人も結構いますし。
じゃあ、「具体的にどんな時に必要なの?」というと…
- トゥルーバイパス・エフェクターや、自作エフェクターを複数つなげている場合
- (合計10m以上の)長いシールドを使っている場合
- 単純にバッファーを繋いだ音が好きな場合
に必要です。
反対に…
- 一個でもバッファードバイパスのエフェクターにつなげている場合
- かけっぱなしのエフェクターがひとつでもある場合
であれば、たとえ上記3つの条件に当てはまる場合であっても必要ないことがほとんどです。
(そりゃそうですね、これらの場合はバッファーを経由するんですから。)
✔︎注意: バッファーを使わないほうがいい場合も…
「ファズフェイスなどのビンテージ・エフェクターは、稀にインピーダンスがかなり低めに設定されているものがあります。その場合、前段にバッファーを置いてしまうと歪み量が減少してしまい、エフェクターの効果が得られなくなることがあるので例外的に注意しましょう!」
バッファーの組み込み方
では「バッファーはどうやったらエフェクターボードに組み込めるの?」という疑問に答えます。
前提として、ほとんどの場合バッファーの専用ペダルを買う必要はないです。
なぜなら既に組み込んでいるエフェクターがバッファーを搭載している可能性が高いからです。有名なところでは「BOSS」のエフェクターは全てバッファーを搭載していたり、多くがバッファードエフェクターとなっています。むしろトゥルーバイパスで揃える方が難しいかと思います。
とはいえ「バッファーの効果を得る方法」を下記にまとめました。
常時ONのエフェクターを繋ぐ
そもそもトゥルーバイパスであってもONにしたら必ずバッファー回路を通過します。つまり、常時ONのエフェクターを繋ぐことでバッファーの効果を得られます。
バッファードバイパスのエフェクターを繋ぐ
これは当然ですね!(い換えると「トゥルーバイパス」と書いてないエフェクターはもれなくバッファードバイパスです。BOSSも全部そうですね。)
ちなみに、バッファーにこだわる人は質の高いバッファーを搭載している「チューナー」を組み込む方も多いです。▼詳しくは↓こちらの記事をお読みください。
バッファーの専用ペダルを繋ぐ
バッファー、つまり「ハイインピーダンス信号をロウインピーダンスに変換すること」に特化した機材です。当然ですが専用機械だけあって、かなり高品質なバッファーが搭載されていることが多いです。
おすすめのバッファー・エフェクター6選
これまでの説明だけだと、バッファーはいい事だらけでデメリットは無いように聞こえませんでしたか?
しかし、ローインピーダンスへの変換具合によっては「音の繊細さが欠ける」「エフェクターの効きが強くなりすぎる」「高音域の質感が変わる」と感じてしまうことがあります。
つまり、場合によってはバッファーが自分の理想の音から遠ざけてしまう事も少なくありません。したがって、バッファーも出来る限り「自分の理想の音に近いもの」を購入することをオススメします。
One Control/ Minimal Series BJF Buffer
One Controlのチューナーにも搭載されていて、僕も愛用してます。公式HPなどを見ると、非常にナチュラルで原音に忠実なサウンドを目指して設計されており、ギター本来の音色を変えることなく信号を強くすることに注力したバッファーとなっているようです。しかし、実際に使ってみると若干ハイが持ち上がるような、高音域がキラメクような感じがしました。僕のサブエフェクターでは直列で7〜8個のエフェクターをつなげていて、激しく音の劣化がありました。このバッファーを繋げると劣化が本当に解消されてエフェクターの効きも良くなります。
▼詳しいレビューはこちらの記事をご覧ください。
SUHR/ BUFFER
安心のSHUR製品、最高級バッファー。音やせを回避し劣化した音を元気にする目的で使う場合は、このバッファーが最も優れていると思います。ギター本来の音以上に低音がギュッと太く締まるような効果を得られました。比較的効果ですが良質バッファーです。
▼詳しいレビューはこちらの記事をご覧ください。
TC ELECTRONIC/ BonaFide Buffer
TC ELECTRONICのチューナー「PolyTune3シリーズ」にも搭載されています。アナログ回線にこだわっており、バッファーの中でも原音に忠実で超ナチュラルな仕上がりです。実際に使っていみても、劣化した音がアン直の音とほとんど違いがないサウンドに復元してくれるように感じました。
▼詳しいレビューはこちらの記事をご覧ください。
PROVIDENCE/ VZW-1 VITALIZER WV
バッファー専用ペダルの定番。古くから販売されている名作です。本機の特徴は、限りなくギターの原音に忠実な信号を出力することかなと思います。個人的にも10個以上のバッファーを試してきましたが、結局ずっとエフェクターボードにいるのはこのバッファーです。地味ですが欠かせないペダルの一つです。超おすすめです。
▼詳しいレビューはこちらの記事をご覧ください。
TRUETONE/ PURE TONE
1995年から続くアメリカの老舗PURE TONE社のハンドメイドされたシンプル回路により、聴感上の音質変化を最大限に減らしたナチュラルなバッファーです。音の変化や個性を加えることはなく、限りなくシンプルにハイピーダンス信号をノイズの混入しにくいローインピーダンスの音声信号に変換することを目指して制作されている丁寧な一品です。
▼詳しいレビューはこちらの記事をご覧ください。
MOSKY/ PURE BUFFER
中国のエフェクターブランドであるMOSKYから発売される格安バッファーです。安いですが、必要十分な機能を発揮してくれる印象です。音が劣化しているがお金をかけずに解決したい、もしくはバッファーを試してみたいという方はコチラから試してみてはいかがでしょうか。
▼詳しいレビューはこちらの記事をご覧ください。
以上です。