「エフェクターボードの作成にあたり、配線を丁寧にやりたいんだけど、やり方をちゃんと教えて欲しい。」
という願いに答えます。
この記事の内容を実践すれば、
エフェクターボードの配線を「完璧に」仕上げることができます。
※「エフェクターの配線手順」「チェックポイント」を体系的にまとめてあります。
この記事を書いている僕の経歴こんな感じです。
・ギター歴 11年
・エフェクター所有経験 100台以上
業者に頼まなくても、この記事を熟読して自分で配線すればOK。
エフェクターボードを配線しよう
※「配線作業」に特化して解説します。(エフェクターボードとエフェクターは準備しているものとします)
①位置を決める
エフェクターの配置を決めます。綺麗に配置できたとしても「踏みにくい」「ケーブルを挿す隙間がない」となると最悪です。踏み換える回数の多いエフェクターを前線に持ってくるなど、「操作しやすいレイアウト」を意識して決めましょう。
✔︎In/Outに注意
つまり「ギター→エフェクター」「エフェクター→アンプ」の部分に注意しましょう。エフェクターボードの枠が邪魔をして刺せなくなることや、抜き差しがやりづらい配置にする事はやめましょう。
✔︎エフェクター間の距離に余裕を持とう
エフェクターの横の間隔が近すぎてパッチケーブルがさせなくなることがあります。かなり余裕を持って(3cmくらいは余裕持って)配置しましょう。また、縦の距離にも注意。電源コネクタが刺せなくなるケースもあります。
✔︎(できれば)ハイインピーダンス信号とパワーサプライを近づけない
具体的にいうと「ギター〜バッファーを通過するまで」はハイインピーダンス信号である可能性が高いです。つまり「ジャンクションボックス」や「ギターに近いエフェクター」はできるだけパワーサプライから遠ざけて配置しましょう。※ノイズ対策です。
②エフェクターボードとエフェクターを掃除しよう
配線作業に入る前に、粘着力を高めるためにエフェクターボードとエフェクターを掃除しましょう。エフェクターボード全面と、エフェクター底面をアルコールなどを使い拭き上げましょう。マジックテープ等の接着面も綺麗にしましょう。
③DCケーブルを配線しよう
DCケーブルとは、パワーサプライからエフェクターに電気を流すケーブルです。ノイズ対策のためにパッチケーブルの下にしたいので先に配線を済ませます。
✔︎グランドループを絶対に作らない
DCケーブルを含むケーブルで輪っかの形ができてしまうと大きなノイズを拾ってしまいます。ケーブルは出来るだけ束にまとめましょう。※ただし、パッチケーブルと電源ケーブルは一緒にまとめないようにしましょう。パッチケーブルと電源ケーブルを一緒に束ねるのは厳禁です。電源ケーブルのノイズをパッチケーブルが拾ってしまいノイズの原因になってしまいます。
✔︎シールドの長さに余裕を持つ
最短ルートで、DCケーブルがピンと伸びてしまう長さはやめましょう。少しの振動で抜けやすく、ケーブルにも大きな負担がかかってしまいます。※イメージとしては、直角にケーブルを曲げながら配線するイメージです。
④パッチケーブルを配線しよう
パッチケーブルとは、エフェクター間を繋ぐケーブルです。
✔︎パッチケーブルのメーカーは統一しよう
理由としては、ケーブルによって高音域・低音域など特定の音域をカットしてしまうことがあるからです。当然ですが、ケーブルが何か音を足す事はありません。つまり、いろいろな種類のケーブルを使ってしまうと、色々な音域が削られていくので「音の劣化」がひどくなってしまう可能性が高まります。
✔︎パッチケーブルの長さに余裕を持つ
最短ルートで、パッチケーブルを繋ぐのはやめましょう。少しの振動で抜けやすく、ケーブルにも大きな負担がかかってしまいます。少したるみができる程度の長さがベストです。
⑤MIDIケーブルを配線しよう
MIDIケーブルとは主に、スイッチャーとMIDI対応のエフェクターを繋ぐケーブルです。スイッチャーで(On/Offなど)エフェクターの操作が出来るようになります。パッチケーブルと違い、1本繋げばOK。In/Outでループさせる必要はないです。
✔︎MIDIケーブルの長さに余裕を持つ
最短ルートで、MIDIケーブルを繋ぐのはやめましょう。少しの振動で抜けやすく、ケーブルにも大きな負担がかかってしまいます。※イメージとしては、直角にケーブルを曲げながら配線するイメージです。
⑥音出しチェック、ノイズの確認しよう
配線をまとめる前に、必ずアンプに繫いで音を出してみましょう。
✔︎下記の項目が問題ないことを確認しましょう。
- 音は出る?
- 全てのエフェクター、スイッチャーの機能が作動する?
- ノイズは出ない?
ノイズが出てしまった場合は、↓こちらの記事も参考にしながら対応してみてください。
⑦最後に、配線をきれいにまとめよう
最後の仕上げで配線を綺麗にまとめましょう。
✔︎ケーブルを束ねて、固定しよう
ケーブル類はできる限り「結束ワイヤー」を使用し束ねましょう。這わせているケーブルは「タイラップベース&結束バンド」を使用し固定しましょう。見た目が良くなるのはもちろん、グランドループを防ぎノイズが減少します。事故によるケーブル抜線も予防できます。
✔︎操作性を向上させる
マストではないですが、「ペダルライザー(底上げ台)」や「フットスイッチ キャップ/カバー」を使い、エフェクターを踏みやすくしましょう。
エフェクターの配線に必要なもの(まとめ)
エフェクターの配線で「必要なもの」をまとめました。どれも私が愛用していて、「使いやすい」と思ったアイテムです。何を使うかお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
DCケーブル
Free The Tone|CP-416DC
外からのノイズに強く、送電ロスを限りなく防いでくれます。下記で紹介する「Free The Tone ソルダーレスケーブル」と同じケーブルを使用している高品質なケーブルです。細くしなやかな素材でケーブリングも大変やりやすいです。(15cm、20cm、30cm、50cm、75cm、合計5種類が販売されています)
OYAIDE|DC-3398 LL
金メッキプラグを採用し、送電性と耐久性に優れています。また、見た目にもわかる白と黒のツイストケーブルは(プラス線とマイナス線で磁界を打ち消しており)ノイズの除去に貢献しています。(10cm、20cm、30cm、50cm、90cm、合計5種類が販売されています)
いろいろ紹介してますが…基本的にはパワーサプライに付属しているものを使えば、互換性や品質も問題ないことが多いです。
パッチケーブル
EBS|PCF-10
定番。ケーブルがフラットタイプ(きし麺のような形)なので絡まりにくく、コネクト部分が薄いので省スペースにかなり貢献してくれます。価格も安く最もおすすめのパッチケーブルの一つです。
Free The Tone|ソルダーレスケーブルキット SLK-L-10 (NICKEL)
(自作するのは面倒だけど…)1mm単位で長さにこだわり、かつ高品質を求めたい方に最もおすすめのパッチケーブルです。高品質なのはいうまでもなく、「ドライバー」と「ニッパー」さえあれば、現場で断線が起きた時もサクッと新しいパッチケーブル を作ることが出来ます。
Donner|パッチケーブル
格安。私も自作エフェクターボードで使用しています。「EBS」のパッチケーブルよりも少し大きいですが、コネクト部分が薄く使いやすいパッチケーブルです。耐久性も音質も全く違和感なく使えています。
MIDIケーブル
Free The Tone|CM-3510
高品質。「360度対応のフリーアングルキャップ構造」と「小型L型プラグ」により、大きくなりがちなMIDIケーブルの省スペース化に成功させた革新的なケーブルです。2芯シールド線を採用しノイズにも強い構造になっています。
EBS|BlueDot Midi Cables
低価格な定番商品です。180度アングル対応のL型プラグにより、こちらも省スペースに貢献してくれます。
タイラップベース&結束バンド
Amazon等で「タイラップベース」と検索いただければ、たくさんヒットするかと思います。100均でもOKです。
MUSICWORKS|FXBB-20
僕が使っているのはこちらの商品です。
結束バンド
Amazon等で「結束バンド」や「結束ワイヤー」と検索いただければ、たくさんヒットするかと思います。100均でもOKです。
ペダルライザー
ELECTRO-HARMONIX|Pedal Riser
エフェクターの底上げ台の超定番。値段も安くamazonやサウンドハウスとあらゆるチャネルから手に入るのも魅力。
※エフェクターの底上げ方法について、詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
フットスイッチキャップ
フットスイッチカバーや、フットスイッチハットという名称でも販売されています。楽器屋さんに行けば100円くらいで買えます。
MOOER|Footswitch Hat
僕が使っているのはこちらの商品です。
最後に、配線のみならず、エフェクターボードの組み方については、こちらの記事で解説していますので、ぜひご覧ください!この記事には、僕のエフェクターボードのナレッジを全て詰め込んでいます。
以上です。